明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年を振り返って、やはり強く印象に残るのが台風19号による水害でしょうか。
年末にドイツの環境NGOが、「過去1年間に異常気象で最も深刻な被害を受けたのは日本」という分析を発表しましたが、比較的天災が少ないと言われた栃木県でも尊い人命が失われる被害がありました。そして、3か月近く経った今もなお、床上・床下浸水により、被災前の生活を取り戻すことができない方々がたくさんいらっしゃいます。一日も早く日常が戻ることを願わずにはいられません。
当法人でも県内で活動する6つのNPOと連携して「うつのみや暮らし復興支援センター2019」を立ち上げて、宇都宮市社会福祉協議会と連携しながら、宇都宮市内での屋外・側溝等の泥出し活動に携わってきました。活動中に「参加するボランティアの数が少ない」との声を何度か聞きましたが、一方で自分にできることを何かしたい、と思っている方がたくさんいらっしゃることも感じていました。
NPOの役割は、社会変革と市民社会の創造と言われます。市民一人ひとりが自分の強みを見出し、その強みを生かして活動し、その活動の成果が実感できる、そんな社会を築く役割があるのだと思います。
社会のために何かをしたいという思いは、災害時に限ったことではなく、日ごろの暮らしを通して多くの人たちが抱いています。就任時に「さまざまな課題への気づきを増やす事業」を行うと述べましたが、気づき、そして活動に結びつける仕組みをつくることが重要なのだと改めて認識する機会となりました。
さまざまな事象が地球規模でつながっている今、自分たちでは制御できない大きなうねりが絶え間なく生じています。だからこそ、身の回りだけでも平穏な環境を維持してきたいものですね。
2020年が、皆様にとって穏やかな年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。
認定NPO法人宇都宮まちづくり市民工房
理事長 安藤 正知